投薬いらず?花粉症のレーザー治療

 

花粉症治療においては、昔から薬の服用などの内科的治療に主眼が置かれていますが、近年ではレーザーなどを使った外科的治療法も存在します。

 

レーザー治療は、花粉症を元から絶つというものではありませんが、少ない通院数で投薬いらずという特長があります。

 

薬を飲み続けることがわずらわしく感じる方などは是非検討してみてはどうでしょうか。

レーザー治療の3つのメリット

 

この治療法は、鼻の粘膜を外部から傷をつけるなどによって、鼻粘膜の機能を低下させることで花粉症の症状を緩和させるものです。

 

外科手術ではありますが入院することなく外来で施術が可能です。

 

3つのメリット

  • 出血や痛みが少ない
  • 通院回数が少なくて済む
  • 薬を飲み続ける必要がない

レーザー治療の原理

 

鼻をかむ男性

鼻の中には粘膜という部位があります。

 

これは水を吸い込んで刺激を受けたりするとツーンとなる場所です。

 

その粘膜にレーザーのようなエネルギー量の多い光を当てて、わざとやけどを起こさせます。

 

やけどを起こした粘膜の箇所はかさぶたのようになり、それまではたらいていた鼻水を出す鼻粘膜としての機能がなくなってしまいます。

 

つまり意図的にからだの身体的機能を低下させることによって花粉症の症状を改善させるというわけなのです。

とてもシンプルな治療の流れ

 

治療の流れはいたってシンプルです。

 

特に問題なく順調に進めば2〜3週間程度で処置を終わらせることができます。

 

ただ、痛みが少ないとはいえやはり麻酔処置は必要です。

 

しかし注射によるものではなく、薬を浸したガーゼを鼻の中に入れることで麻酔処置を施すことができます。

 

麻酔が効いてきた所でレーザーを照射して鼻粘膜を焼きます。

 

これを2、3回大体一週間間隔で繰り返して終了です。

 

入浴を含め、治療中の生活に特に問題となる点はありませんが、施術直後の飲酒は控えた方が良いようです。

治療を検討する際に必ず確認!いくつかある注意点

 

この手軽にも感じられるレーザー治療にもいくつか注意すべき点がありますので、順を追って説明します。

 

まずは治療を受ける際の注意点です。

 

レーザー治療で主に使われる炭酸レーザーは、鼻水が多い状態ではうまく機能しないという欠点があるのです。

 

レーザーは人工的につくられた光の一種です。

 

光が持つ特性の一つに屈折というものがあります。

 

これは光が異なる物質間を進むときに、その物質の境目で進行方向が変わる現象です。

 

具体的には空気中から水の中へ向けてライトなどの光を当てるとその光線が曲がるようなことを指します。

 

水を入れたお茶碗に箸を入れると折れ曲がって見えるのもこのためです。

 

つまり鼻水が多い状態の鼻の中にレーザーを照射しても、レーザー光線が鼻水によって弱まってしまい、目的の部位に当てることができなくなるというわけです。

 

レーザー治療を受けようと思われている方は、花粉症のシーズンが始まって鼻水などの症状が出てくる前に医療機関へかかるのがよいといえます。

 

目安としてはシーズンの1、2ヶ月前ぐらいです。

 

次に挙げられる注意点は、このレーザー治療はすべての方に対して効き目があるものではないというものです。

 

術後大体7、8割の方々は治療による効果を期待できるようです。

 

しかし、残念ながら残り2、3割の方々は効果を実感しにくいことがあるのです。

 

ですが、このように思ったほどの効果が得られなかった方でも、後述のアルゴンプラズマ凝固法という治療法で効果が得られることがあります。

 

レーザー治療を行っている医療機関ではこのアルゴンプラズマ凝固法も備えていることが多いので相談されてみるのもよいでしょう。

 

最後に治療を受けた後で注意すべき点についてです。

 

治療がうまくいけば確かに花粉症の症状は改善されるのですが、それはあくまで一時的なもので、治療による効果が永久に続くというものではないのです。

 

これは先述の治療の原理と関係しています。

 

この療法は、からだの一部をわざと傷つけて、からだ本来の機能を削ぐことで治療の効果を得ているわけです。

 

ですから、当然からだは本来の機能を取り戻すために鼻粘膜に出来たケガを治そうとします。

 

その結果、月日の経過を経るにつれて徐々に治療前の状態へと近づいていってしまうのです。

 

花粉症の原因となるスギ

ただ、この点についても治療の効き具合と同じく個人差があって大体平均で2年間です。

 

長い方では5年以上に渡って治療による効果が持続するような場合もあります。

アルゴンプラズマ凝固法

 

レーザー治療よりも強力な治療法としてはアルゴンプラズマ凝固法というものがあります。

 

この治療法は、主に炭酸ガスを用いた通常のレーザー治療よりも効き目が強く、通常2、3回の照射が必要になるレーザー治療法に対し一回の照射で済むという利点もあります。

 

また、鼻水が出ている状態のときでも施術することができます。

 

しかしそれらのメリットの反面、痛みや出血が強くあらわれる場合もあり、その関係で、血液を固まりにくくする作用のある抗凝固薬を服用されてる方は利用できません。

 

また、プラズマという原理を利用する関係上、からだにペースメーカーなどの電気を使う医療器具を埋め込まれている方も対象外になってしまいます。

 

他には妊娠中の方などが挙げられますのでご注意してください。

 

また、手術の前に、適正を調べるための血液検査が必要になることもあります。

 

このアルゴンプラズマ凝固法は略称でAPCと呼ばれることもあります。